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大きな虫歯こそ初手が大切
12月も上旬が終わろうとしていて、1年が経過するのが早いと感じる今日この頃です。
今回は大きな虫歯の治療のお話です。
先ずは術前の写真です。
この歯の奥歯側(画面下側)に大きな虫歯が存在しています。
患者さんと事前に相談し、万が一神経が出てきた場合はMTAを使用して神経の保存を試みる治療法をさせて頂きました。
顕微鏡下で虫歯を出していくと
中で大きく広がっています。
さらに除去を進め、神経が出てくる前に壁を作成していきます。これにより神経が唾液に晒されるリスクを最大限防ぎます。
虫歯を全て除去すると神経が出てきました。ここからは薬液にて洗浄していきます。
乾燥させて出血がない事、神経が原型を留めていることを確認してMTAを充填していきます。
この状態で1回目の治療が終了で、その後1週間ほど症状が出てこないか確認します。症状がないことを確認できたら最終的にCRで歯を作成していきます。
術後の写真です。
(ミラーの傷がありますね….)
大きな虫歯の場合、治療方法は様々です。
自発痛(何にもしなくても痛い)等の症状がない場合、レントゲンで虫歯が大きいから神経をとるという判断に行くのではなく、可能な限り保存する方法を取ることをお勧めしております。
極力神経の処置にならないようにするためには、今回の治療方法は有効だと考えております。ただし、これも治療の成功率が100%という訳ではありません。
同じように治療を行っても後日症状が出てきてしまった場合、速やかに神経の処置へと移行する必要があります。
歯の治療方法はそれを行う歯科医師の考え方で大きく変わります。
私自身は可能な限り歯を残した状態でレジンによって治療すること。そのために必要な治療環境を可能な限り整えることが大切だと考えております。
この方法で治療をさせて頂くたびに治療環境はとても大切だと痛感します。
もっと大切なのは患者さん自身のセルフケアですので、大きな虫歯にならないように日々のデンタルフロス・歯間ブラシ・歯ブラシをしっかりと行って頂けましたらご自身の歯は喜びます。歯のために宜しくお願い致します。
今回も長時間お疲れ様でした。