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根管治療の方法
梅雨戻りした天気が続いています。
埼玉県ではかなりの雨が降っていて大きな被害が出ないことを祈るばかりです。
今回は他院にて根管治療を受けるも痛みが引かずに来院された歯のお話です。
まずは術前のレントゲン写真です。
根の先から何か出ています・・・・。
患者さんからお話を聞くと、歯肉にできている膿の出口から薬を入れられたらしいです。。。
これは日本独特の間違った行為で、誰が始めたか知りませんが、薬(今回の場合は小児の根管治療で最後に使用する薬でした)を根管から押し出したり膿の出口から入れたりして治癒を狙っているようです。。。
こんなことしても絶対治らないし、患者さんは痛い思いをするだけなのでやめて頂きたいと思います。
どれだけ除去できるかわかりませんが、ご相談させて頂き根管治療を始めていきました。
術中のレントゲン写真です。
中々膿の出口が治癒してこず、治療前に造影撮影したものです。
奥歯側の根に向かって入っていきます。
まだ根の先端付近の外には押し出された薬が出ている状態です。
それを可能な限り根管内からかき出しながら除去していきます。
できる限り除去していくと、膿の出口も消失してきて、根管からの排膿・出血もない状態でしたので最終的な薬を充填した状態です。
ここから仮歯にしてしばらく経過観察です。
術後半年経過したレントゲン写真です。
根の先にあった透過像の縮小傾向を確認できたので、最終的な歯を作成させて頂きました。
根管治療は細菌感染との戦いです。
基本的に原因の大部分は根管内に存在しています。
しかし、その除去は非常に難しく、いかに歯に優しく且つ正確に原因を除去するか日々治療内容が発展してきています(基本欧米)。
言い換えれば、人間のできることには治療方法や器具等が進化した今でも限界があると言うことです。
ルールを守った方法で根管拡大を行っても、根管の表面積の70%程度しか触れないと言う報告もあります。
いつも思うのは、始めて神経を除去しますっと言う段階で感染予防をしっかりと行った環境で治療を受けられることをお勧めいたします。
上記のように触れる範囲に限界がある以上は、初手で感染しないことがとても大切になるからです。
もっと言えば、神経を除去しなくてはいけないくらいの虫歯を作らないように、日々のケアを徹底していただくことがとても大切だと考えます。
疲れていたり、お酒飲んで眠くなっても、歯の掃除だけはしっかりして頂けますと、歯は喜びます。
今後は定期的に経過を観察させて頂けたらと思います。
長い時間、お疲れ様でした。