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親知らずを利用して
早くも梅雨がきたのではと感じる天気です。
雨は嫌ですね〜。。
今回は親知らずを利用した治療のお話です。
まずは術前のレントゲン写真です。
左下の奥から3番目(6歳臼歯)と2番目(12歳臼歯)が感染して根の先が膿んでいます。
患者さんには亀裂が入っている可能性があるので抜歯し入れ歯かインプラント(当医院ではやってません)のお話をさせて頂きました。
何とかならないか相談を重ね、3番目の前歯側の根の保存、2番目の歯を抜歯して親知らずを移植する内容を提案させて頂きました。
かなりチャレンジ要素の強い治療であることに理解と同意を得て治療をスタートしました。
まずは3番目の根管治療をルールを守った方法でさせて頂き、前歯側の根の保存を試みます。
根管充填時のレントゲン写真です。
奥歯側の根は割れていたため抜歯させて頂きました。
次に2番目の歯を抜歯して親知らずを移植します。
移植した歯には根管治療が必要となるため、ここもルールを守った根管治療をさせて頂きました。
その後経過観察をしながら移植した部位が落ち着いてきたのを確認して金属の歯でブリッジを作成させて頂き治療終了です。
術後2年程経過したレントゲン写真です。
今のところ特に問題なく使用できているとのことです。
治療には様々な方法がありますが、根管治療は一生のうちに何度もできる治療方法ではありません。
そのため、早い段階でルールを守った方法で治療を受けることをお勧めさせて頂いております。
今回も経過は良好ですが、何でも噛める歯になったかというと、私はそうは考えておりません。
確かに感染源は(概ね:0には出来ません。滅菌できないので)除去でき、症状なく咬合することができるようになっていますが、その歯が丈夫になっているわけではありません。
人の手が加わったっということは、それだけ元の歯が失われたと言っても過言ではないと思います。
そのため、より大切に使用していただけると、治療を受けた歯は喜び永くその形態と昨日が保たれると思っております。
来院いただける度に、同じようなお話をさせて頂いておりますが、これからも大切に使用して頂けますようお願い致します。
今回も長い時間お疲れ様でした。