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感染根管治療の予後
この前の日曜日に3回目のワクチン接種をしてきました。
1・2回目はファイザーで3回目モデルナを接種しました。
主な副反応としては発熱(カロナールで解熱可能)、筋肉痛・関節痛(カロナールで軽減)、全身の倦怠感(これは驚くほど辛かったです)でした。腕は少し痛みましたが、腫れは軽度でした。
3回目の接種した感想として、副反応に正直驚きましたが2日目からは症状が劇的に改善したので早めに接種できて良かったと思っています。
以上がワクチン接種の報告でした。
今回は感染根管治療の経過と予後です。
まずは術前のレントゲン写真です。
画面真ん中の歯が感染し、根の周りが膿んで黒く映っています。
根の破折を疑い、大学病院にてCTを撮影してきて頂き画像より亀裂が入っている可能性を指摘された歯ですが、ダメもとで奥歯側の根管もルールを守った方法で根管治療していくことに。
歯の頭を除去し、中を確認していくと
画面下側が頬側になるのですが、パーフォレーション(人工的な穴)が存在します。
隔壁を作成して更に詰めてあるものを除去していくと
大きな塊が・・・。
根管の中はこんな感じに削れていました・・・。
概ね除去し終わって確認すると、明らかな亀裂は内側には確認できませんでした。
前歯側の根管も綺麗にしていきます。
真ん中に3番目の根管がありそうな気配が出てきます。
先が0.06ミリのファイルを使用して確認し、残っている感染源を除去していきます。
触れる範囲の根管を機械的・科学的に洗浄していきます。
頬側の歯肉にあった膿の出口も消失し、根管内の排膿も止まったので最終的な薬を充填します。
パーフォレーションの部分はMTAにて封鎖を考えたのですが、既にその周りには骨が存在していなかったので前歯側と奥歯側に歯をセパレートして頭を作成していかなくてはいけませんでした。
術後1年4ヶ月後のレントゲン写真です。
根の周りに存在していた黒く映っていた部分はだいぶ骨へと治癒してきてくれています。
根管治療はとても難易度が高く、繊細さを要求される治療です。
ラバーダムを使用し、防湿を必ず行う。そのために必要な隔壁は必ず作成する。
1ミリに満たない根管などを探っていかなくてはいけないので、拡大視野(マイクロスコープ)は必須だと思います。
この中でも一番大切なのはラバーダム(隔壁込み)だと考えております。
また、膿んでた部分が骨へと治癒してきてくれること=歯が丈夫になるではありません。
治療介入回数が増えれば増えるほど歯は脆弱化します。
特に根の治療に至っては、生涯で3回が限度とも言われています。
早い段階でルールを守った治療を受ける、もしくはそこに行き着くまで虫歯を放置しないのが1番歯の寿命が延びる秘訣だと思います。
今後とも硬いものや、食いしばり等の習癖から歯を守って頂けたらと思います。
今回も長い時間お疲れ様でした。