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外科的歯内療法の予後
無事にワクチン接種を終え、安心しておりますが、引き続き感染対策を万全にして日々の診療を行なって参ります。
今回は通常の根管治療では症状が落ち着かず、歯根端切除をさせて頂いた症例のお話です。
先ずは術前のレントゲン写真です。
本来の根管から逸脱した部分を作業ラインとして根管治療を行なってしまったのかなっと想像できる症例です。
更にその穴からガッタパーチャが飛び出しています。
(この歯、頭にはセラミックが入ってました・・・)
先ずはルールを守った方法で通常の根管治療をさせて頂きました。
っが、歯肉の腫れが一向に治らなかった為、御相談させて頂き、外科的歯内療法をさせて頂きました。
術直後のレントゲン写真です。
その後経過観察を行いながら、経過良好だったので歯の頭を作成させて頂いて、術後13ヶ月経過したレントゲン写真です。
順調に治癒してきてくれています。
通常の根管治療では治癒が困難な状態の歯は存在します。
感染源がさわれない範囲に存在する場合、通常の根管治療では症状の変化が見られません。
その場合、このように外科的歯内療法に治療方針を変えなくてはいけなくなります。
今回は外科処置の結果、感染源となり得ていたものを除去する事ができ、骨へと治癒してきてくれていますが、これは決して歯が丈夫になった訳ではありません。
介入しなければいけない内容がハードになればなるほど、歯のダメージは大きくなります。
そうならない為にも、虫歯の早期発見・早期治療。習癖から歯を守る行動。
そもそも虫歯にならない為の日々のブラッシングや補助道具(フロス・歯間ブラシ)の使用の徹底等が非常に大切だと日々感じています。
このコロナ禍で職場や学校等での歯ブラシが出来ない状況やマスク生活のために乾燥する口腔内と、歯を取り巻く環境は決して優しくはありませんが、そんな中でもできる限り大切にして頂けましたら幸いです。
今後も定期的に確認させて頂けたらと思います。
長い期間お疲れ様でした。